手を出しづらい物件の目利き

再生可能な物件の判断
室内状況が荒れている物件で、一般の方が買わないような物件をプロの不動産屋が購入して再生販売しています。
不動産投資物件においても同じ事ができるはずですが、一般の方にはハードルが高いです。ここでは再生可能な物件の判断基準を一つ示したいと思います。
団地やマンションであれば何とかなる
基本的に木造の戸建て物件や木造アパートは状態の悪い物件はリノベーションが難しいケースがあります。木造は減価償却のメリットがあるので手を出したい物件も多くあるかと思いますが、リノベーションがうまくいかないリスクも頭に入れておきましょう。
やはり構造自体が木造の場合、家全体が傾いたり、白アリの被害があったりと、木造ならではの経年による影響が建物全体に出てるケースがあります。建物の状況により全く異なるので一概には言えず個別に現地調査をして判断が必要になります。
対して、団地やRC造のマンションの場合は、木造の戸建て物件よりもリノベーションで失敗するリスクが低いです。RC造(鉄筋コンクリート造)の建物は、特に専有部がコンクリートで囲まれているため、リノベーションにおいて特別な利点があり、失敗リスクを低減させる要因となります。
- 構造の頑丈さと耐久性: RC造の建物は、木造建築に比べて構造的に頑丈で耐久性が高い特徴があります。コンクリートの強度と耐火性に優れているため、地震や火災などの災害に対しても強固です。リノベーションにおいても、基本的な構造には安定性があり、改装プロジェクトにおけるリスクが低減します。
- スケルトンで新築レベルの施工: RC造建物の専有部はコンクリートで構築されており、内部をスケルトンにすることで、実質的に新築を建設するのと同等の施工状況になります。壁や柱の配置を変更したり、間取りを完全に再設計したりすることが可能です。これにより、古くなった建物を現代的な仕様にアップグレードできます。
- 設備のアップグレード: RC造の建物は、設備をアップグレードするためのスペースと許容量が十分にあります。新しい電気配線、給排水管、暖房・冷房システム、断熱材、窓など、設備の更新やエネルギー効率の向上が比較的容易に実現できます。これにより、住環境の改善と将来のメンテナンスコストの削減が可能です。
- 保守管理の容易さ: RC造建物は、通常、管理組合やプロの管理会社によって管理されています。これにより、共有部分や設備の保守が効率的に行われ、建物全体の品質が保たれます。リノベーション後も、専門的な保守管理が継続され、トラブルの早期発見と修正が容易です。
- 再販価値の向上: RC造の建物をリノベーションすることで、その物件の再販価値が向上します。新しい内装や最新の設備は、将来の販売時に有利な要因となり、投資のリターンを高めます。
- 賃貸需要の増加: リノベーションされたRC造の建物は、テナントや購入者にとって魅力的で、需要が高まる傾向があります。品質の向上、現代的な設備、セキュリティの強化などは、不動産市場で競争優位性を持つために重要です。これにより、空室率の低減と利回りの向上が期待できます。
RC造のマンションや団地をリノベーションする場合、その堅実な構造とリノベーションの自由度により、失敗リスクを低減し、長期的な価値を創出する可能性が高まります。投資家や不動産オーナーにとって、RC造物件のリノベーションは魅力的な機会となり、賢明な投資戦略と言えるでしょう。
とはいえ、現実の物件を見ると悩むケースが多い。
実際に状況の悪い物件というのは、相続物件であればモノがあふれていたままになっていたり、庭木の手入れもされていないケースが多いです。
こちらの物件も典型的なパターンで、築40年以上経ちますが一度もリフォームをししていない部屋です。ただし、メリットがあり建物全体の管理は抜群にしっかりとしているメリットがあります。ただし、しつこいようですが、室内の状況は厳しいです。



上の写真の植樹は専用庭です。個別の住居に割り振られた庭なので入居者が手入れをしないといけません。御覧のような状況なので、全体の状況も把握できません。
フルスケルトンにする想定で考えていく
リノベーションの予算はかかりますが、このクラスの物件を作り直す場合はフルスケルトンにする想定で予算を考えます。
利回りも考慮していく必要がありますが、同じくらい中長期的なメンテナンスも考えて判断します。フルスケルトンにする事でマンションや団地であればどんなに古い物件でも再生が可能になります。
こちらの物件はこのようにすべて解体をして作り直しました。

リノベーションにおいてフルスケルトン(建物の内部をほぼ完全に解体してから再建するアプローチ)を採用するメリットは多岐にわたります。以下に、フルスケルトンリノベーションの主な利点を説明します。
- 新たなデザインと間取りの自由度: フルスケルトンリノベーションでは、建物の内部をほぼ空の状態に戻すため、新たなデザインと間取りの自由度が非常に高いです。壁、柱、間仕切り、設備などを自由に配置し、理想的な住空間を実現できます。これにより、住宅や商業スペースを完全にカスタマイズできます。
- 新しい設備とエネルギー効率の向上: フルスケルトンリノベーションを行う際には、新しい設備やエネルギー効率の高いシステムを組み込むことができます。新しい給排水管、電気配線等を導入することで、快適で省エネルギーな環境を実現できます。
- 建物の耐久性と安全性向上: フルスケルトンリノベーションにより、建物の構造や基盤を徹底的に点検し、必要に応じて強化できます。これにより、建物の耐久性と安全性が向上し、長寿命を保つことができます。特に地震対策や防火対策が重要です。
- 新築に匹敵する品質: フルスケルトンリノベーションは、事実上の新築と同等の品質を実現できます。内部の全てを新たに建てるため、建物は新しい状態で提供され、住宅価値が向上します。これにより、将来的な再販価値が高まります。
- 既存の骨組みを活用: フルスケルトンリノベーションでは、建物の骨組みや外壁を活用できます。これにより、建築コストを削減し、プロジェクトの効率を向上させます。同時に、建物の個性や歴史的価値を保持しつつ、現代的なアップデートを施すことができます。
- 市場価値の向上: フルスケルトンリノベーションにより、物件の市場価値が大幅に向上します。新しい内装や設備、現代的なデザインは、賃貸や販売において魅力的な要素となり、需要を高め、空室率を低減させます。
- 将来のメンテナンスの簡素化: 新しい設備や構造を導入することで、将来のメンテナンスが簡素化されます。部品や材料が新しいため、故障や修繕の必要性が低減し、資産の長寿命が確保されます。
フルスケルトンリノベーションは、建物の内部をほぼ新築同様に作り変えるため、カスタマイズ性、品質向上、エネルギー効率の向上、将来の価値向上など多くの利点があります。ただし、適切なプランニングと資金調達が必要です。プロのアドバイスを受けながら、プロジェクトを計画し実行することが成功の鍵です。
再生はこのレベルまでできる
室内を全て解体した後は、室内の間仕切りや壁を全て一から作り直します。給排水や電気配線も一から作り直す事で新築同様の施工で進めていきます。

結果的にはこのレベルまで新たに作る事ができます。



庭に関してはとりあえず草を刈るだけでもだいぶ片づけられます。後は経年で根がはった部分を撤去するなどの作業が必要です。
夏であれば除草シートを覆う事も必要です。


水回りが新しくなるのが一番安心感を与える
リノベーション投資のメリットは水回りの設備が一新される点にあります。長期的にみて水回りのトラブルが一番不動産投資において損害を発生させる事故が多いです。
そのため、こういったリノベーションのタイミングで一新すると長期的な安心も一緒に得ることができます。

