一棟収益リノベのコスト削減のコツ

なんでもかんでもやる必要はない
収益物件のリフォームやリノベーション工事において、外壁工事や内装工事など、さまざまな項目が検討されます。しかし、リフォームやリノベーション工事を行う際には、予算を適切にコントロールし、収益物件の利回りを損なわないように注意することが非常に重要です。
単にリノベーションを行うのではなく「リノベーション投資」なので、リノベーションを行う事で不動産投資の利回りを最大化させなければ意味が無いからです。このためには、経年の劣化状況や見た目を考慮して、工事の優先順位をつける必要があります。以下に、その重要性と考慮すべきポイントを詳しく説明します。
- 利回りの維持と向上: 収益物件の目的は、安定した収益を得ることです。予算を無駄に使ってしまうと、収益物件の利回りが低下し、投資効果が損なわれる可能性があります。したがって、リフォーム工事の際には、収益物件の収益性を最大化することを考慮しなければなりません。
- 経年の劣化状況の評価: 収益物件の建物は時間とともに劣化します。屋根、外壁、配管、電気設備など、特に重要な部分は、劣化の進行具合を評価する必要があります。優先順位をつける際に、劣化が進行している箇所に重点を置くことが重要です。劣化が進行すると修復コストが高騰することも考慮しなければなりません。
- 安全性と法令遵守: 収益物件の安全性は非常に重要です。建物内外の安全対策や法令遵守に関連する工事は、優先的に検討すべきです。法的な問題や安全上のリスクを回避するために、必要な修繕や改修を行うことは、将来の問題を防ぐためにも不可欠です。
- 見た目と入居者の満足度: 物件の外観や内装は、入居者にとって重要な要素です。見た目が良く、居住環境が快適であれば、入居者の満足度が高まり、入居率が向上する可能性があります。したがって、外壁工事や内装工事など、見た目に関連する工事も考慮に入れるべきですが、無駄な贅沢を避けるために予算を適切に管理することが重要です。
- 長期的な視野: 収益物件のリフォーム工事は、長期的な視野で行うべきです。つまり、将来のメンテナンスや修繕の負担を軽減するために、耐久性のある素材や設備を選択することが賢明です。これにより、将来的なコスト削減が実現し、長期的な収益性が向上します。
- プロのアドバイスの活用: リフォーム工事に関する専門知識がない場合、プロのリフォーム業者のアドバイスを受けることが大切です。彼らは経験豊富で、予算と効果的なリフォーム計画を立てるのに役立ちます。
まとめとして、収益物件のリフォーム工事は、予算を適切に管理し、利回りを維持するために慎重に計画する必要があります。経年の劣化状況、安全性、法令遵守、見た目、長期的な視野を考慮し、プロのアドバイスを受けながら、収益物件の価値を最大限に引き出す工事を実施することが成功の鍵です。
外壁は全てを塗装する必要はない
外壁工事において、全ての外壁を塗装することは、確かに効果的な方法ですが、足場の設置費用や塗装作業のコストが高くつくことがあります。そのため、外観がそれほど傷んでいない場合には、慎重に検討し、効果的なアプローチを取ることで、コストを削減できます。以下に、このアプローチのメリットと、劣化が進んだ箇所のみの塗装に焦点を当てた理由を詳しく説明します。

- 慎重な検査の重要性: 外壁工事を行う前に、外壁の実際の状態を検査することが非常に重要です。外壁にはさまざまな素材が使用されており、それぞれの素材は異なる劣化のスピードや耐久性を持っています。外観から見た目に傷みが少なくても、内部に劣化や問題が潜んでいる可能性があるため、徹底的な検査が必要です。ここでは高圧洗浄や打診はある程度の広範囲で実施する事にしました。
- 足場の設置費用の削減: 足場の設置費用は、外壁工事の大きなコスト要因の一つです。全ての外壁を塗装する場合、建物全体に足場を設置する必要があり、これにかかる費用は相当なものとなります。しかし、外観の傷みが限定的であれば、一部の外壁にのみ足場を組むことでコストを削減できます。
- 雨どい等の金属部分の重要性: 外壁の中でも、金属関係の部材が使われている箇所、(雨どい、排水管、窓枠、鉄製の部材など)は、劣化が進行すると錆が発生し、耐久性が低下します。金属部分が錆びたり腐食したりすると、外観だけでなく機能にも支障が出てしまいます。そのため、金属関係の塗装は特に重要です。
- 錆びや劣化の進行を防ぐ: 金属部分の塗装は、錆びや劣化の進行を防ぐために非常に効果的です。錆びが進行すると修復が難しく、部分的な交換や修復が必要になり、これにかかるコストは高額になることがあります。金属部分の定期的な塗装によって、耐久性を維持し、将来的なコストを削減できます。
- 外観の一貫性を保つ: 外壁の一部を塗装し、他の部分を放置することは、外観の一貫性を保つためにも有効です。外壁の一部が新しく塗装され、他の部分が古びたままだと、建物全体の外観が不均一になる可能性があります。最終的には全体のバランスも見て判断します。

このように、外壁工事において外壁全体を塗装するのではなく、慎重な検査を通じて部分的な塗装にのみに絞ることは、コスト削減に貢献し、建物の耐久性と外観を維持するために合理的な方法とも言えます。
錆・劣化箇所の修繕
外壁自体はそれほど傷んでいなかったため、気になる錆箇所や劣化箇所を塗装をするだけでも外観のイメージは良くなります。
また、駐車場天井や配管等の少し暗い箇所は塗装により明るい印象を生み出す交換もあります。投資対効果としてはこれくらいにとどめられると、非常にコスパは高いです。



不人気な一部屋だけリノベする
こちらの物件では道路に近く、間取が使いづらい部屋が1室だけあり絶えず空き室でした。広さの割に1LDKしかなく、また、ユニットバスとの出入りが部屋の外になり脱衣所もないという何とも使いづらい間取でした。
1室だけが不人気で空き室が発生している収益物件において、中長期的な空き室リスクを低減させるために、特定の部屋に焦点を当てたリノベーション計画を立てることは、合理的なアプローチです。
この計画では、不人気な部屋に投資し、他の部屋は原状回復程度にとどめることで、コストを最適化し、物件全体の収益性を向上させることが狙いです。以下に、このアプローチの詳細な説明を提供します。

- 不人気な部屋のリノベーション: 首尾よく稼働している部屋と比較して、不人気な部屋の問題を明確に理解しましょう。可能な限り、入居者のフィードバックを収集し、その部屋がなぜ選ばれないのかを分析します。可能な要因には、内装の古さ、設備の不足、見た目の魅力の欠如、価格設定などが考えられます。これらの要因を特定し、解決策を見つけることが重要です。
- リノベーションの目標と効果: 不人気な部屋のリノベーションの目標は、その部屋を魅力的で快適な居住スペースに変え、入居者が選びやすくすることです。これにより、中長期的な空き室リスクを低減させ、収益性を向上させることが期待されます。リノベーションによって、賃貸価格を調整し、他の部屋との差別化を図ることも検討しましょう。
- 予算とコスト管理: リノベーションプロジェクトの予算を慎重に設定し、コスト管理を徹底します。不人気な部屋に投資することは重要ですが、無駄な贅沢や予算の無駄遣いを避けるために、計画的に作業を進めましょう。必要な修繕や改善に予算を割り当て、コスト対効果を最大化しましょう。
- デザインと内装: 不人気な部屋のリノベーションでは、デザインと内装に注意を払います。現代的で魅力的なデザインや、快適な生活をサポートする設備の導入を検討しましょう。入居者にとって魅力的な環境を提供することで、部屋の需要を高めることができます。
- マーケティング効果: リノベーションが完了したら、その部屋を効果的にマーケティングすることが重要です。リフォームした部屋の魅力的な写真や説明を提供し、賃貸広告を改善しましょう。それにより、物件全体のイメージアップにつながります。
- 空室リスクの低減: 不人気な部屋のリノベーションを通じて、中長期的な空室リスクを低減できるでしょう。改善された部屋は他の部屋と競争力を持ち、入居者を引き込む要因となります。これにより、物件全体の収益性が向上し、空室リスクが軽減されます。

最終的に、特定の部屋のリノベーションを通じて、中長期的な空室リスクを低減させることは、収益物件の投資戦略の一部として非常に有益です。計画的なリノベーションを行い、収益性を向上させることで、不人気な部屋を魅力的な選択肢に変え、持続可能な収益を確保することが可能です。
全部壊して一から新築を作る流れで
特殊な間取の部屋の場合、リノベーションをするコツは古いものを残さない事です。一度全て解体をしてから全て作り直せば古い給排水等も全て交換できます。当然、間取も作り直しやすくなります。

一度、フルスケルトン状態にして配管も含めて交換する事で、新たな壁位置等も全て指定をし直して新しい間取の部屋を作ります。
20年程度は少なくとも大きな改修工事が必要なくなるように交換できる部材は、徹底的に交換をします。

作り切ってしまえば長持ちする
一度リノベーションをやり切れば、基本的には20年単位で大きなメンテナンス工事は必要はりません。ある程度経年劣化をしている部屋や不人気部屋は思い切ってリノベーション投資をした方が結果的にはコスパがいいケースもあります。



特に水回りの商材に関しては進化をしているため、最新設備を入れる事で入居者の満足度も高まり、特にファミリー層には長期での入居を促す大きな要因になる可能性もあります。
なぜなら、賃貸物件の場合はどうしても浴室やキッチンが少し古いケースが多いからです。賃貸で新しい水回りの設備に一度住んで慣れると、次に引っ越す際に同じようなグレードの物件がなかなか見つからないため、安易に引っ越しを決断しない可能性が高まるからです。


