施主支給はおすすめしない

施主支給とは?
「施主支給」とは、リノベーション工事において、建設資材や設備機器などの必要な材料や機器を施工業者に提供することを指します。
一般的に、施主である不動産投資家様がリフォーム施工業者に工事を依頼する際に、一部または全ての建設資材や設備機器を自身で調達し、施工業者に提供することを意味します。
施主支給の主なメリットは下記です。
- コスト: 施主支給を選択することで、建設資材や設備機器のコストを自身で管理および調達できます。これにより、材料や機器の選択肢を柔軟に調整し、予算内でプロジェクトを進めることができます。
- デザイン: 施主支給を利用することで、自身の好みやニーズに合わせた建材や設備を選択できます。特定のブランドやデザインを重視する場合、施主支給を選択することで希望通りの仕上がりを実現できます。
- その他: 稀なケースですが、シックハウス等のアレルギーの問題がある場合に確実に問題の無い商品を入れるため、施主が建材や設備を調達するケースがあります。
一見するとメリットの多い施主支給ですが、当社では基本的に施主支給は薦めていません。それは当社の利益が減るからという問題ではなく、施工上のデメリットが多く却って損失が発生するリスクが高いからです。
施主支給を進めない理由
施主支給は、一見すると施主にとってメリットが多いと感じられることがありますが、リフォーム会社か工務店側から見るといくつかのデメリットや課題が存在します。以下に、施主支給に関連するデメリットを整理します。
1. 材料仕入れに関するデメリット
a. コストの増加
リフォーム会社や工務店は通常、建設資材や設備機器を商社やサプライヤーを通じて大量仕入れし、卸値で材料を調達することができます。一方で、施主支給の場合、材料を施主が直接調達するため、通常の仕入れルートを経ないため、材料のコストが増加する可能性があります。
b. 納期の制約
工務店はプロジェクトのスケジュールに合わせて材料を調達し、作業を進行させる必要があります。しかし、施主支給の場合、施主が材料を提供するタイミングが工務店のスケジュールと合わないことがあり、納期に遅れが生じる可能性があります。
また、一度施工予定の日に材料が入っていないと再度、別日に出直しをする事になります。その場合に施工できなかった日も費用が発生するのが通常です。結果として、施工費が増えてしまい、材料費が安く仕入れられたとしても作業費が増えてトータル費用が上がる事があります。
2. 設備機器の課題
a. サイズと仕様の不一致
施主が支給する住宅設備機器や設備品の仕様、サイズ、性能が、工務店の設計や施工計画と一致しないことがあります。これにより、現場での設置作業に問題が生じ、追加の調整やカスタマイズが必要になることがあります。
b. 配管位置の誤り
住宅設備の配管位置が施主提供の設計図と異なる場合、配管の再配置や修正が必要となり、追加のコストと時間がかかることがあります。誤った配管配置は、工程の遅延や施工品質への影響をもたらす可能性があります。
この点が特に多いトラブルです。例えばトイレの便器一つ取っても排水芯の位置や、排水芯の太さが複数ある事はあまり知られていません。これを一般のエンドユーザーが自力で調べて調達するのは難易度が高いです。また、そのために工務店側が協力して情報提供をしたりアドバイスをするのも手間がかかるため工務店側のコストを圧迫する事になります。
3. 資材の搬入と施工遅延
a. 施主提供資材の搬入タイミング
施主支給の資材が必要な場所に適切なタイミングで搬入されない場合、施工プロセスが中断され、作業場所の混雑や資材の保管に関する問題が発生します。これはプロジェクトのスケジュールに遅れを引き起こす可能性があります。
b. 施工遅延への影響
施主支給の資材が適切に調達できない場合、工程の遅延や施工品質への影響が生じる可能性が高まります。施主が提供した資材が不足している場合、工務店は補完的な材料を調達し、作業の中断を最小限に抑える必要があります。
まとめ
施主支給は、施主にとってメリットが多い一方で、工務店側には材料仕入れに関するコスト増加、設備機器の課題、資材の搬入と施工遅延などのデメリットが存在します。プロジェクトの円滑な進行と品質の維持を確保するためには、あまりおすすめしない方法です。
