水回り住設を知っておく

水回り住設とは?
リフォーム業界で住設とは住宅設備の略称で、浴室、キッチン、洗面台、トイレ等の水回りの資材を指します。水回り住設のポイントは同じ商品でも価格帯に大きな幅がある点です。基本的な知識があると見積を提示された際に判断がしやすくなります。
ユニットバスについて
在来とユニットってなに?
お風呂には在来工法とユニットバスの大きく2種類あります。一般的なマンションではユニットバスがほとんどですが、築年数が30年を超える物件では在来工法の浴室もあります。
在来工法の浴室はバランス釜で湯沸かしをしているケースも多いです。バランス釜?それも何ですか?って思われる方もいるかもしれません。あまり詳しく機能を説明しても意味がないので避けますが、煙突のようなものが浴室内から外に出ていたら、それがバランス釜です。
在来工法の浴室は壁がタイルやモルタル仕上げの壁で出来ています。また、浴槽も単体で別れて床下に埋まるような工法で作られています。かつては浴室は大工さんが施工して作っていました。ですから、がっしりと頑丈な作りでブロックで壁回りが固められている事も多くあります。
対してユニットバスは樹脂製のパネルを組み合わせて作られています。そのため素材も軽く組立の職人さんが一人で持ち運んで組み立てる事も多いです。しかしながら防水性にもすぐれデザインの自由度も高いです。また、何よりも工期が組立自体は1日~2日で終わる事がほとんどのためリフォームや新築の現場で急速に普及しました。
イチニーイチロク?ユニットバスのサイズ
ユニットバスには規格サイズがあります。1216(イチニーイチロク)や1014(イチゼロイチヨン)といった独特の表現でサイズ規格を言います。リノベ工事会社の施工管理や水道設備の職人さんは当たり前に使っているので「お客さんのお風呂はイチニーイチロクですよね」と言ってきたりします。
この表現はユニットバスの内寸のサイズを示しています。1216(イチニーイチロク)であればユニットバス室内の短辺が120㎝、長辺が160㎝のユニットバスです。そのため、数字が大きいユニットバスほど広いユニットバスと言えます。

一番小さいサイズで一般的には1014(イチゼロイチヨン)というのがあります。これは賃貸用の物件でよく用いられるサイズです。大きなサイズになると1618(イチロクイチハチ)であれば少し大きいお風呂だなという印象があります。一般的には1216(イチニーイチロク)がファミリー物件では一番よく使われるサイズかもしれません。
ユニットバスが入るサイズ
ユニットバスであればどんなサイズでも設置できるのか?というと決してそうではなく、例えば、既存のユニットバスと同じ位置にユニットバスを配置する場合は、基本的には既存のユニットバスと同じサイズのユニットバスしか入らない事が多いです。ただ、解体を実施した後に少し大きいサイズのユニットバスが入る事もあります。また、脱衣所を少し狭める事で広いユニットバスを入れる事もあります。
在来工法の浴室を解体して新たにユニットバスを設置する場合は在来工法のあったスペースにユニットバスを設置する場合は在来工法のスペース内部の壁中にそのままユニットバスを設置するケースが多いです。ただ、こちらも周辺のブロック壁を解体して大きなユニットバスを設置するケースもあります。
また、ユニットバス室内の縦横の広さだけではなく、ユニットバス設置スペースの天井の高さや柱の位置も設置できるか否かのサイズに大きな影響を与えてくることがあります。天井が低すぎると天井をカットできるサイズにも限界があるのでユニットバスの設置が難しいケースもあります。
また、躯体構造の柱がある場合はユニットバスの脇に柱加工をする事は難しいため、対応できるユニットバスのメーカーが限られてしまう事があります。
ユニットバスってどれを選べばいいのか?
ユニットバスに関しては各メーカーが価格帯ごとのブランドを持っています、TOTO,LIXIL,Panasonic等大手のメーカーであれば最安値の賃貸グレードの商材から最高級品までそれぞれでブランド名を分けて分類していることが多いです。
そのため、リノベの工事会社に見積を依頼する際はユニットバスのグレードをどこまで求めるのかを伝えておいた方がいいです。同じサイズのユニットバスであっても価格帯が5倍近く変わるケースもあります。また、オプションに何を入れるかで金額も大幅に変わります。
例えば、浴室乾燥域を入れるのか、シャワー水栓の中でもランクがあります。また壁のパネルを色の入ったモノにする場合、その色や模様ごとに単価が変わったりもします。そのため、同じブランド内でも複数のパターンの見積り作ってもらうか、予め予算を伝えてその中で複数パターンの見積りを作ってもらう方がいいでしょう。
ユニットバスに関しては金額の見積りだけではなく、通常はメーカーのシステムを使用してCGのイメージプランを作成してもらう事ができます。パネルに関してもカタログがありますので決める前にカタログを見せてもらうなりしましょう。また、メーカーのショールームに行って現物を見るというのもいいかもしれません。
キッチンについて
カウンターキッチンに隠された秘密
リノベーションのキッチンというとカウンターキッチンのイメージがあるかもしれません。カウンターキッチンといっても実はいくつか種類がありまして、実は本当にカウンターキッチンとして販売されているキッチンを使用しているケースはあまりありません。
例えばこちらの写真のキッチンも厳密にはカウンターキッチンや対面キッチン仕様のペニンシュラタイプのキッチンを使っているわけではありません。

実際には対面壁を作ってそこに通常の壁付けのキッチンを設置してシンク周りの正面壁を抜いた構造にしていることが多いからです。それは単にカウンターキッチンとして販売されているキッチンよりも通常のキッチンの方がコストが安いため、このような施工方法を採用しています。

また、調理の際に油跳ねがあるため、コンロの向いの壁も何も遮るもののない純粋なカウンターキッチンの場合に掃除が毎日大変になるという現実的な理由もあります。そのため向い壁をガスコンロのあたりまで作った方が使用中のメンテナンスもしやすいというメリットがあるのです。また、実際にカウンターキッチンにあこがれはあったけどもリビングが狭くなってしまうのでやはりキッチンは壁付けにしてほしいというご意見も多く頂きます。
カウンターキッチン自体は実際に使用してみると、家族との会話もしやすくメリットもありますが、スペースを広くとられてしまうというデメリットもあります。本当に求めているものは「見た目なのか?」それとも「コミュニケーションなのか?」お客様それぞれの事情を考えて判断されるといいと思います。
そもそもカウンターキッチンにできるのか?
リノベでカウンターキッチンにできるかできないか?その質問に対する回答は「フルスケルトンにするのであれば出来る」です。お部屋が狭い等の事情で使いやすくない配置になるかもしれませんが、技術的にはフルスケルトンであればカウンターキッチンにする事はできます。
その理由としては給排水管を新たに床下に通す事ができるからです。フルスケルトン工事の場合は一般的に置床工法という床下にスペースをあけて床を組む工法を用います。その際にできる床下のスペースに給排水管を通す事ができるためカウンターキッチンにする事ができます。
また、フルスケルトン工事をしない場合であっても、壁中に給排水をうまく通すことができればカウンターキッチンにする事ができるケースもあります。ただし、あまり排水の勾配(角度)が取れず排水が逆流するなどのリスクもあるため入念な事前調査の基に施工する必要があります。
ライフスタイルでサイズを決めよう
キッチンを壁付けにするのか、それともカウンターにするのか、それが決まったら次はキッチンのサイズを決めましょう。キッチンの横幅の長さが決めるべきメインとなります。また、背の高さによってキッチンの高さもいくつか選択肢がありますので見逃さないようにしましょう。
キッチンのサイズに関してはどのようなライフスタイルかによってサイズを決めるべきだと思っています。例えばご家族であっても料理をあまりしないのであれば小さいサイズのキッチンでもいいでしょうし、単身の方であっても料理がお好きであれば調理スペースの大きいサイズのキッチンを選んだ方がいいでしょう。
また、キッチンのサイズによってはガスコンロが2口であったり3口であったりといくつか制約も出てきます。普段どういった料理をされるのかにもよって必要となるスペックが変わってきます。従来のマンションであれば2LDKであれば必ず大きなサイズのキッチンが入っていました。例えば2m以上のサイズの2100といったサイズのキッチンが入っている事が多いです。
しかしながら、もし料理をあまりされないのであれば1650㎜(165センチ)くらいのサイズのキッチンで十分かもしれません。そうであればキッチン自体のスペースを狭くしてリビングを広くするという間取り全体のプランも見直すこともできます。お客様自身のライフスタイルに合わせて常識を考慮せずにサイズは決めるのも一つのやり方です。
同じサイズでも金額はピンキリ
キッチンもユニットバスと同様にメーカー内でいくつかのブランドを持っています。TOTO,LIXIL,Panasonic等の大手メーカーであればメーカー内で複数のキッチンブランドがあります。ブランドごとに金額は大きく異なります。
キッチンの性能自体が違うという点もありますが、使っている材料自体が違うため金額が大きく異なるという点もあります。例えばキッチンの天板がステンレスではなくて人口大理石であるとか、最近ではシンクの中まで人口大理石のキッチンまであります。
また、キッチン正面の化粧板の色や柄によっても金額は異なります。その他、食洗器を付けるのか否か、浄水器を付けるのか否か等のオプションによっても金額がことなります。そのため見積依頼時には事前にどれくらいのスペックのキッチンを求めているのかを伝えておきましょう。
また、ユニットバスと同様に各メーカー内のシミュレーションシステムでCGの資料を出せるケースも多いです。見積書の金額だけではなくどういったキッチンになるのかCGの資料(プランシート)ももらうようにしましょう。それでもさらに現物を見て確認したいなというお客様はメーカーのショールームに行くことをお勧めします。
メーカーのショールームであれば基本的には全種類のキッチンの置いてあります。そこで現物を見るのが一番判断に役立つかもしれません。
洗面台とトイレについて
洗面台とトイレに関しても多数の商品がありますが、特に洗面台について金額のブレ幅の大きい商品が多いため、注意が必要です。
また、洗面台を洗面ボウル単体で取寄せて、手作りの板の上に乗せる在来仕様の洗面台を希望される方もいますが、耐水性が弱いため投資物件ではおすすめしていません。
恐らく2年も住めば手作りの水回り住設はダメになります。水回りに関してはメーカーの標準品の方が圧倒的に耐久性が高いです。
洗面台は小さいけど値段は大きい
水回りの大きなユニットバスやキッチンについてはカタログやショールームで現物を見ながらじっくり決めるケースが多いかもしれません。
ただ、トイレや洗面台になると意外と適当に選んだり工事会社任せにしがちです。ですが、特に洗面台に関してはサイズや品番により金額が大きく変わりますのでここで妥協せずにきちんと選びましょう。
トイレはウォシュレット一体型が主流だが賃貸では否定したい。
【トイレについて】
・トイレ+タンク+ウォシュレット(分離型)
・一体型ウォシュレットトイレ
トイレは最近ではウォシュレット一体型のモノが主流になっています。
メリットは見た目のデザインがやはりスッキリすること。デメリットはウォシュレットの故障時にウォシュレットだけ交換するのがメーカーの製造期間が過ぎてると難しい場合があります。
その点を考慮してトイレと別にウォシュレットを分離できる通常タイプの分離型トイレを選ばれるケースが不動産投資家の方では多いです。
便器単体では30年以上使っていても壊れませんので、ウォシュレットと分けた方が合理的ではあります。
洗面台は上下に分けて検討する事も可能?
【洗面台について】
・洗面台のワイドサイズ
・洗面台のミラーキャビネット
洗面台はワイドサイズによって金額が大きくかわります。通常の75cmや90cmサイズであればあまり金額差はありませんが、それ以上のサイズになると金額が一気に上がります。10万円くらいだったのが30万円くらいにといった感じです。
また、メーカーごとのブランドでも金額が変わりますので、あまりこだわりがない場合は予算をはっきり伝えておきましょう。正直、洗面台はあまり見た目も機能にも差がないにも関わらず金額差の大きい設備だからです。
また、水栓だけを変える事もできるケースがありますので、気に入ってる洗面台が水栓だけ気に入ってるのであれば水栓だけ安い洗面台に同じモノを取り付けられないか確認する方法もあります。
洗面台は実はミラーキャビネットとシンクが別品番になっている事が多いです。上の写真のような洗面台でも上部のミラーキャビネット、下部のシンクで別品番になっています。そして、それぞれが別商品としてバラす事ができます。
ミラーキャビネットだけを別の商品に変えられる事もあるので、水栓と同様に気に入った洗面台がミラーキャビネットのデザインであればシンクだけ安いモノにするという選択肢も取れるかもしれません。
