3点ユニット問題解決

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3点ユニットバスの弱点を整理してみる

3点ユニットバスの歴史は意外にも古く、1964年の東京オリンピック開催に向けて、当時のTOTO(東陶機器株式会社)が「ホテルニューオータニ」に初めて納入したことが始まりでした。その後、日本の建設ラッシュに伴い、3点ユニットバスは多くのホテルで採用され、その人気は賃貸アパートやマンションにも広がりました。しかし、1990年代後半から、浴室とトイレが独立した物件の需要が高まり、3点ユニットバスの人気は低迷しました。

3点ユニットバスのメリットとデメリットを整理します。

3点ユニットバスのメリット:

  1. 家賃が安い: バスとトイレが一緒になっているので、他の物件に比べて家賃が低い傾向にあります。
  2. トイレ掃除が簡単: トイレとお風呂が同じ場所にあるため、トイレ掃除が簡単で、シャワーで簡単に清掃できます。ただし、これが衛生的ではないと感じる方も当然います。
  3. 漏水事故等の防止が比較的やりやすい。排水位置がトイレ、洗面、浴室と1箇所しかないので漏水事故が起きた際に対応がしやすい傾向にあります。

3点ユニットバスのデメリット:

  1. カビの発生が多い: 3点ユニットバスは湿度の高い場所で、カビが発生しやすいです。特にシャワーカーテンに注意が必要です。ただし、換気扇をずっと回しておけば防げるケースも多いです。
  2. トイレットペーパーが濡れやすい: トイレが浴室と同じ場所にあるため、トイレットペーパーが濡れやすく、防水カバーが必要かもしれません。
  3. 洗い場がない: 3点ユニットバスには洗い場がないため、身体を洗う際に湯船のお湯を抜かなければなりません。また、狭い空間でゆったりと過ごすことが難しいかもしれません。

このようにざっと上げただけでも多数出てきます。ですが、3点ユニットの物件のデメリットで意外と着目されていない点があります。それはウォシュレット問題です

一般的に不人気の3点ユニットバスですが、例えばホテルであれば未だに3点ユニットバスのホテルは多くあります。ビジネスホテルはAPAホテルや東横インの大手チェーンのホテルもほぼ3点ユニットバスを使用しています。

その際にその3点ユニットバスが不快だとか、使いづらいという声はあまり聞きません。それは1点だけ大きな違いがあるからです。それは基本的に新しいビジネスホテルのトイレは全てウォシュレットをつけているからです。

出張時に大浴場があるホテルであれば大浴場に行くケースが多く、そうではないホテルでもビジネス需要であれば大きな浴槽の風呂に入るよりも簡単にシャワーで済ます方が多いのではないでしょうか。

そのため、浴室としての機能よりもトイレとしての機能がしっかり完備されていればそれほどストレスが無いと感じるのかもしれません。この点に着目して賃貸物件の3点ユニットバスも清潔感を出しつつ、ウォシュレットを完備する作戦に出てはいかがでしょうか?

3点ユニットバスを低コストにやっつける *Before

3点ユニットバスの場合、デメリットとして「トイレと浴室が同じスペース」にあるというのが衛生面や気持ちの面で嫌がられると思いがちです。

ですが、先ほどもお伝えしたように「ホテルもほとんどが3点ユニットバス」という点です。ビジネスホテルだけではなく、高級ホテルの場合でも浴室とトイレのスペースが同じケースはよくあります。

そう考えた場合に、必ずしも浴室とトイレが同じ場所にあるのが嫌がられているわけではないのか?という仮説を立てました。

では、ホテルの3点ユニットバスにあって、賃貸物件の3点ユニットバスに無いものはなにか?再度丁寧に整理します。それは、3つあると考えました。一つ目は「清潔感」、二つ目は「高級感」、三つ目は「ウォシュレット」です。

3点ユニットバスを低コストにやっつける *After

清潔感は清掃をしたり、古すぎる部品類を交換する事である程度は解決します。高級感はダイノックシート張りや鏡を横向けに大きく貼る、シャワーセットを分譲仕様のものにする等でそれほどの大きな予算を掛けずに更新する事ができます。

三つ目のウォシュレットはホテル仕様の防水ウォシュレットを設置する事で解決します。これら全ての工事を実施しても、15万円前後の予算で済みます。

ユニットバスを交換して、トイレも分離してといった大規模な工事をするよりも低コストです。更に1R物件の場合、3点ユニットバスをそのまま活用しないとスペースが収まらないケースも多いので、基本的には大規模な工事をせずにこういったある物を活用した施工が一番ベストです。

物件の出口に必要のない工事は削減を提案する

当然ですが、3点ユニットバスを壊して、トイレと浴室を分離する。あるいは、トイレとシャワールームに分けるという工事も出来ます。そういった工事をする現場もあります。

例えば下記の物件では、トイレと洗面を同じスペースにして、真向いにシャワーブースを設置しています。こちらは外国人向けに売却も想定して作っている物件のため、ある程度予算をかけて施工をしています。

また、こちらの物件では、居住用に売却する可能性もあるからというオーナー様のご要望で、ギリギリの設計でトイレと洗面とユニットバスを治めるような配置にしています。トイレの前に浴室のドアがあり、その脇に洗面台があります。

このような設計をして、周辺を全て解体して作り直す工事も可能です。ですが、例えばこの物件が複数世帯あるようなワンルーム物件であれば、全ての部屋に対してこのような工事をしていると利回りが合わなくなります。

つまり、所有している物件の属性や、売却出口も想定してどこまでリフォームするかを決める必要があります。

この点に関しては、不動産投資家にとっては相談相手が恵まれていないケースが多いです。不動産会社に相談してもリフォームの費用感が無く、リフォーム会社に相談しても物件の出口戦略に関する知識がない。

当社ではこういった問題を解決するために、リノベーションと不動産投資の両方をバランスよく提案できる体制を整えています。何よりもリノベーションを自社施工できるという点が非常に大きいです。

費用感に関しては外注に見積を取らなくても、おおよその費用感はすぐに出せますので、複数案を検討したい際にはタイムリーな意思決定が可能になります。

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