1R収益物件リノベーション

1R(ワンルーム)投資物件の弱点を整理してみる
不動産投資物件において1Rで且つ3点ユニットバスのケースがいまだ多くあります。1R物件は投資家にも入居者にも人気は無いのですが、人気の無い理由を整理する事で無駄な投資をせずに効率的に利回りの高い物件に生まれ変わらせる事ができます。
まずは弱点を正確に把握してみましょう。
- スペースの制約: ワンルーム物件は、1つの部屋で生活空間がすべてをカバーしているため、スペースに制約があります。これは、生活空間のレイアウトや収納の面で制約を意味し、住人にとって快適な環境を提供するのが難しい場合があります。
- プライバシーの欠如: 3点ユニットのワンルーム物件では、個別のプライバシーの確保が難しいことがあります。トイレやシャワールームが一つのスペースに含まれるため、他の住人が使用している際にはプライバシーが損なわれることがあります。また、リビングルームや寝室といったエリアも同じスペース内にあるため、共同生活に慣れていない住人にとってはストレスの原因となる可能性があります。
- 収納の課題: ワンルーム物件では、十分な収納スペースを確保することが難しい場合があります。住人は収納の工夫が求められます。この収納の制約は、生活の快適さと整理整頓に影響を及ぼす可能性があります。
- 家具の選択制限: ワンルーム物件では家具の選択に制限が生じます。大きな家具や多くの家具を配置するのは難しく、コンパクトな家具やマルチファンクションの家具を選ばなければならないことがあります。これにより、住人のライフスタイルや好みに合った家具を配置するのが難しい場合があります。
- 再販価値の制約: ワンルーム物件で且つ3点ユニットを所有する場合、再販時に価値が制限される可能性があります。一般的に、多くの購買希望者はより広い生活空間を求める傾向があるため、この種の物件は特定の需要層に限られることがあります。再販価値について検討する際には、市場の需要と供給に留意する必要があります。
このようにざっと上げただけでも多数出てきます。ですが、ワンルーム物件で3点ユニットの物件は、特定の目的やライフスタイルに合う場合には魅力的であり、賃貸収益を最大化する機会を提供します。例えば安い家賃で都心にどうしても住みたい人や、自宅には寝に帰るだけの人等にはニーズがあります。学生や外国人もターゲットになります。
しかし、上記の弱点を理解し、適切な選択と管理を行うことが重要です。物件の立地、レイアウト、価格設定、そして潜在的な入居者のニーズを検討することで、ワンルーム物件で3点ユニットを有効に活用できるかどうかを判断できます。
3点ユニットバスを低コストにやっつける *Before

3点ユニットバスの場合、デメリットとして「トイレと浴室が同じスペース」にあるというのが衛生面や気持ちの面で嫌がられると思いがちです。
ですが、よく考えて頂きたいのが「ホテルもほとんどが3点ユニットバス」という点です。ビジネスホテルだけではなく、高級ホテルの場合でも浴室とトイレのスペースが同じケースはよくあります。
そう考えた場合に、必ずしも浴室とトイレが同じ場所にあるのが嫌がられているわけではないのか?という仮説を立てました。
では、ホテルの3点ユニットバスにあって、賃貸物件の3点ユニットバスに無いものはなにか?それは、3つあると考えました。一つ目は「清潔感」、二つ目は「高級感」、三つ目は「ウォシュレット」です。
3点ユニットバスを低コストにやっつける *After

清潔感は清掃をしたり、古すぎる部品類を交換する事である程度は解決します。高級感はダイノックシート張りや鏡を横向けに大きく貼る、シャワーセットを分譲仕様のものにする等でそれほどの大きな予算を掛けずに更新する事ができます。
三つ目のウォシュレットはホテル仕様の防水ウォシュレットを設置する事で解決します。これら全ての工事を実施しても、15万円前後の予算で済みます。
ユニットバスを交換して、トイレも分離してといった大規模な工事をするよりも低コストです。更に1R物件の場合、3点ユニットバスをそのまま活用しないとスペースが収まらないケースも多いので、基本的には大規模な工事をせずにこういったある物を活用した施工が一番ベストです。
物件の出口に必要のない工事は削減を提案する
当然ですが、3点ユニットバスを壊して、トイレと浴室を分離する。あるいは、トイレとシャワールームに分けるという工事も出来ます。そういった工事をする現場もあります。
例えば下記の物件では、トイレと洗面を同じスペースにして、真向いにシャワーブースを設置しています。こちらは外国人向けに売却も想定して作っている物件のため、ある程度予算をかけて施工をしています。


また、こちらの物件では、居住用に売却する可能性もあるからというオーナー様のご要望で、ギリギリの設計でトイレと洗面とユニットバスを治めるような配置にしています。トイレの前に浴室のドアがあり、その脇に洗面台があります。

このような設計をして、周辺を全て解体して作り直す工事も可能です。ですが、例えばこの物件が複数世帯あるようなワンルーム物件であれば、全ての部屋に対してこのような工事をしていると利回りが合わなくなります。
つまり、所有している物件の属性や、売却出口も想定してどこまでリフォームするかを決める必要があります。
この点に関しては、不動産投資家にとっては相談相手が恵まれていないケースが多いです。不動産会社に相談してもリフォームの費用感が無く、リフォーム会社に相談しても物件の出口戦略に関する知識がない。
当社ではこういった問題を解決するために、リノベーションと不動産投資の両方をバランスよく提案できる体制を整えています。何よりもリノベーションを自社施工できるという点が非常に大きいです。
費用感に関しては外注に見積を取らなくても、おおよその費用感はすぐに出せますので、複数案を検討したい際にはタイムリーな意思決定が可能になります。
収納問題を低コストにやっつける *Before

1Rの賃貸物件をリノベする場合に収納問題があります。収納自体は必ず必要なスペースですが、収納自体も狭いスペースを圧迫します。更には収納の扉にも問題があります。
収納には折戸や開き戸が付きますが、上の写真のように開閉する扉の外周箇所がデッドスペースになります。ただでさえ狭いワンルームが収納扉の存在により、更にスペースの死に場所を生む事になります。
また、工事費用の観点でも扉自体の費用、つまり建具の費用とそれに伴う建具の設置費用がかかります。スペースの面でも、コストの面でも課題解決が必要になります。
収納問題を低コストにやっつける *After


この物件のケースでは思い切って収納扉を無くしました。見せる収納という建付けにするために隣にデスクスペースや収納としても使えるスペースを設置して、正面に木材チップパネルを貼りました。
これにより収納扉自体のコストと、収納扉の設置費用も削減され、併せて収納スペースの可動域のスペースも余分に使わずに済みます。

この流れでシューズボックスの収納も無くしました。下記の写真は別の物件ですが、この手法はよく用います。
確かにシューズボックスは扉があるのが当たり前なイメージがありますが、実際にはよく壊れる箇所でもあります。原状回復の将来的な費用を抑えるうえでも思い切って扉を無くすという工法は考えても良いと思います。

更にもう一歩進んだスペースと施工費を削減する方法が下の写真です。こちらの物件では収納自体の造作もほとんどせずに、パイプだけのシンプルな収納を壁付けにしました。
収納を見せたくないという人も一定数いる可能性も考慮して、天井にはカーブカーテンレールをつけましたが、これさえも不要だったかなと思っています。

洗濯機置き場問題をやっつける *Before

室内洗濯機置き場の物件に洗濯機置き場を設置する際には、通常ミニキッチンの横に設置するのが王道です。排水と給水と電気の3点を効率的に取れるのがミニキッチンの脇だからです。
では、こちらの物件のようにミニキッチンの横に通路がある場合はどうすべきか?非常に悩みます。思い切って3点ユニットバスの脇まで持ってくる案も検討しましたが、給排水をユニットバスにつなぐのはユニットバスを交換しない限り施工難度がとても高いです。
洗濯機置き場問題をやっつける *After

そこで、上の写真のようにミニキッチンのシンク脇に洗濯パンが入る商品を選定しました。こちらの洗濯機の上にIHミニコンロが設置できるようになっています。
小さい洗濯機が設置されているタイプのミニキッチンもありますが、その商品は小さい洗濯機のため毎日洗濯をする人には良いのですが、洗濯を数日に分けて行う方には物足りないケースが多かったので、こちらの全自動のスリムタイプの洗濯機が置ける機種を選びました。
まず、1R物件でミニキッチンのある部屋を選ぶ層の入居者は本格的な料理をするケースはほとんどないと思って部屋の設計を考えるべきです。
スペースが限られている物件ではまず引き算で設計を考えるべきです。
ここで、「このキッチンだとまともに料理ができないのでは?」と考えてしまうと大きなキッチンを別に設置して、室内スペースがどんどん食われていきます。
入居者がそれほど重視していない設備に費用をかけても意味がありません。今でもたまに180㎝くらいの大きなキッチンが入っているワンルーム物件がありますが、あれこそスペースの無駄遣い以外の何物でもありません。
引き算思考でテレビ置き場を室内から無くす作戦
ワンルーム物件でベット、デスク、テレビ台等を置くと室内スペースはほとんど埋まってしまいます。こちらの物件ではデスクスペースを収納と兼ねて、テレビ台も置かないで済むような設計を考えました。
特に最近ではテレビを常時見ない若い人が増えており、Youtubeもスマホで見る人が多いです。そのため、テレビは大画面が必要な映画を見る時だけ写せればいいのでは?という発想の転換をしました。

そこで、天井に照明とプロジェクターを兼ねた機材を設置し、壁にはプロジェクター対応のクロスを貼りました。これにより室内にはテレビを置く必要もないためスペースの確保が可能になります。

室内には収納一体型のデスクスペースもあるため、デスクも不要です。テレビも見る必要がなければプロジェクターを使ってもらいテレビ台も不要です。
つまり、ベットだけ置けば比較的広いスペースが残ります。これにより、通常のワンルームよりも広く室内が使えるため、快適性は上がります。

